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犬のレプトスピラ症、新しい検査キットで簡単診断?

Posted on 2026年4月17日

犬のレプトスピラ症治療と予後

レプトスピラ症と診断された、または強く疑われる犬には、迅速かつ積極的な治療介入が不可欠です。治療の目的は、体内のレプトスピラ菌を排除することに加え、重篤な臓器障害(特に腎臓と肝臓)に対する支持療法を行うことにあります。

抗菌薬治療

レプトスピラ菌は細菌であるため、抗菌薬が効果を発揮します。治療の選択と期間は、病期や症状の重症度によって異なります。

1. 菌血症期の治療

感染初期の菌血症期には、レプトスピラ菌が血液中に存在し、全身に拡散している状態です。この段階では、ペニシリン系の抗菌薬が第一選択薬として推奨されます。
ペニシリン系抗菌薬: アンピシリンやアモキシシリンなどが用いられます。これらはレプトスピラ菌の増殖を抑制し、菌血症を速やかに収束させる効果があります。
投与期間: 一般的に1〜2週間程度。

ペニシリン系抗菌薬は、菌血症を抑えるのに効果的ですが、腎臓に定着したレプトスピラ菌を完全に排除する能力は低いとされています。そのため、腎臓での菌の定着を防ぎ、尿中への排泄を止めるためには、別の種類の抗菌薬が必要となります。

2. 腎臓定着期の治療とキャリア状態の予防

レプトスピラ症の治療において、最も重要な目標の一つは、腎臓の尿細管に定着した菌を排除し、尿中への排菌を停止させることです。これにより、キャリア状態への移行を防ぎ、他の動物や人間への感染源となるリスクを低減します。
ドキシサイクリン: テトラサイクリン系のドキシサイクリンは、腎臓の尿細管に良好に移行し、そこに定着したレプトスピラ菌を効果的に排除することができます。
投与期間: 通常、2週間から4週間以上と比較的長期にわたって投与されます。
注意点: 子犬にドキシサイクリンを投与する際は、歯の着色(エナメル質形成不全)のリスクがあるため、獣医師は慎重に判断します。しかし、レプトスピラ症の重篤性を考慮すると、多くの場合、リスクを上回るメリットがあると判断されます。副作用として食道炎を起こすことがあるため、十分な量の水とともに投与することが推奨されます。
代替薬: ドキシサイクリンが使用できない場合(例:子犬での歯の着色リスクが懸念される場合)、ストレプトマイシンやフロロキノロン系抗菌薬などが検討されることもありますが、ドキシサイクリンほど効果が確実ではない場合もあります。

支持療法

レプトスピラ症では、抗菌薬による原因療法に加え、発症した臓器障害に対する積極的な支持療法が予後を大きく左右します。

1. 急性腎障害(AKI)への対応

レプトスピラ症における急性腎障害は、最も一般的な死因の一つです。
輸液療法: 脱水の補正、電解質バランスの調整、そして腎臓への血流維持が中心となります。適切な輸液量は、尿量や脱水の状態をモニタリングしながら慎重に調整します。
利尿剤: 乏尿や無尿の状態では、マンニトールやフロセミドなどの利尿剤が用いられ、尿量の確保と腎機能の維持を図ります。
透析療法: 重度の腎不全で、内科的治療に反応しない場合や尿毒症症状が進行する場合は、腹膜透析や血液透析が検討されます。これにより、体内の老廃物や過剰な水分を除去し、腎臓が回復するまでの時間を稼ぎます。
制吐剤、胃粘膜保護剤: 尿毒症に伴う嘔吐や胃潰瘍に対しては、これらの薬剤を投与します。

2. 急性肝障害への対応

肝臓障害がみられる場合は、以下の治療を行います。
肝保護剤: 肝臓の炎症を抑え、肝細胞の再生を促すための肝保護剤(ウルソデオキシコール酸、SAMeなど)が使用されることがあります。
ビタミンK: 出血傾向がある場合は、ビタミンKの欠乏が原因である可能性もあるため、投与が検討されます。

3. 出血傾向への対症療法

レプトスピラ症では、血管内皮細胞の障害や血小板機能不全により、出血傾向が見られることがあります。
輸血: 重度の貧血や凝固障害がある場合には、全血輸血や血小板輸血、新鮮凍結血漿の輸血が検討されます。
凝固因子補充: 播種性血管内凝固症候群(DIC)を併発している場合は、凝固因子の補充や抗凝固療法が慎重に行われます。

4. 痛みの管理と栄養管理

鎮痛剤: 筋肉痛や全身の痛みに対しては、鎮痛剤を投与し、犬の苦痛を和らげます。
栄養管理: 食欲不振や嘔吐がある場合は、胃チューブや食道チューブによる経腸栄養、または中心静脈カテーテルによる経静脈栄養を検討し、十分な栄養を供給することが重要です。

予後と人への感染予防

レプトスピラ症の予後は、診断の時期、治療開始までの速さ、症状の重症度、そしてどの臓器がどれだけ障害されているかによって大きく異なります。

早期診断・早期治療の重要性: 軽症で早期に適切な治療を開始できた場合は、予後は比較的良好です。
重症度: 急性腎不全や肝不全が重度である場合、特に乏尿・無尿に陥った場合や、重度の肺出血(SPHS)を併発した場合は、予後は非常に厳しく、致死率が高くなります。DICを併発している場合も同様に予後が悪いです。
回復後の長期的な影響: 一度重度の急性腎障害を起こした場合、回復後も慢性腎不全へと移行する可能性があります。定期的な腎機能のモニタリングが重要です。

人への感染予防策

レプトスピラ症は人獣共通感染症であるため、感染した犬の治療やケアを行う際には、人への感染予防が極めて重要です。
隔離: 感染が確定した犬や強く疑われる犬は、他の動物や人から隔離し、専用の病室やケージで管理します。
防護具の着用: 感染犬の尿、血液、その他の体液に触れる際は、手袋、マスク、保護メガネ、防水性のエプロンやガウンなどの個人用防護具(PPE)を必ず着用します。
衛生管理: 感染犬に触れた後は、石鹸と水で十分に手洗いを行います。感染犬のいる環境や使用した器具は、次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒液で徹底的に消毒します。
尿の処理: 感染犬の尿は、適切に廃棄し、環境への汚染を防ぎます。特に、尿が飛び散らないように注意し、汚れた場所はすぐに消毒します。
飼い主への教育: 飼い主にも、人への感染リスクとその予防策について十分に説明し、家庭での衛生管理を徹底するよう指導します。

レプトスピラ症の治療は、獣医療チームの総合的なスキルと、飼い主の協力が不可欠です。早期の兆候を見逃さず、迅速な行動をとることが、愛犬の命を救う最善の方法となります。

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